ご挨拶 President's Welcome
「歴史と伝統の力」

久留米工業高等専門学校 校長  上田  孝

 

 久留米工業高等専門学校は、「筑紫次郎」として広く知られる大河である筑後川のほとりに位置しています。本校の前身である旧制の久留米高等工業学校は昭和14年に設立され、戦後の学制改革により九州大学の一部となり、昭和33年には我が国で最初の全日制工業短期大学となりました。昭和39年に現在の高等専門学校(高専)になり、昭和41年3月には全国の高専で最初の卒業生を社会に送り出し、我が国のエンジニア養成に先駆的な役割を果たしてきています。

 

 本校は、70年余にわたる歴史と伝統を誇り、これまで約1万2千人の優れた人材を、豊かな水と緑に恵まれた小森野の地から産業界に輩出しています。近年、少子高齢化、情報化、国際化の急速な進展など、青少年を取り巻く環境も大きく変化しており、青少年の人間関係の希薄化、社会的自立の遅れなどが懸念されています。

 このような状況の中で、本校は、「自立の精神と創造性に富み、広い視野と豊かな心を兼ね備えた、社会に貢献できる技術者の育成」を教育理念として、5年間一貫教育により、実験・実習や企業におけるインターンシップなどの体験的な学習を重視した実践的な専門科目と、教養を深め語学力を養うとともに工学修得の基礎能力を培うための一般科目から成る効率的なカリキュラムを編成しています。さらに、教育内容及び方法の改善にも努め、平成19年度から3年間、文部科学省が大学、短期大学、高等専門学校の優れた取組を支援する「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」に採択され、地域企業・社会との共同研究による地域活性化への貢献と技術者教育の融合の取組を進めたり、平成20年度から2年間にわたり、文部科学省の「質の高い大学教育推進プログラム」により、機械要素設計を中心にCIMS/デジタルエンジニアリングに対応できるよう、産学連携により、3次元CAD/CAE/CAMを用いた実践をカリキュラムに取り入れるなど、学生の能力の伸長と自主性の育成を図っています。卒業生は企業や産業界から高く評価され、昨今の厳しい景気の中で、就職希望者のほぼ100%が、各学科で身につけた知識や技術が活かせる製造業、化学、運輸・通信業等の業種に就職しています。卒業生の約4割は、大学の工学系の学部への編入学や本校の専攻科に進み、勉学を深めています。地域の教育機関や企業との連携を進め、地域社会への還元に積極的に努めることも高専の重要な使命です。

 昨年12月には、久留米市と連携し、本校及び市内の4大学・短大による「高等教育コンソーシアム久留米」が設立され、文部科学省の大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラムにより、履修単位の相互互換や市民公開講座等の事業を共同で実施しています。さらに、本年2月に本校キャンパス内に「産学民連携テクノセンター」が竣工し、本校教員の高度な専門性を活かし、地域企業との共同研究・受託研究や技術相談、小中高校向け出前授業、生涯教育の一環としての公開講座など、産学民による地域連携事業を一層進めることとしています。本校の70年余の歴史と伝統の力を活かし、国際社会に対応できる実践的・創造的技術者の養成に努め、我が国産業界や地域社会に更に貢献できるよう、教育研究活動の充実を図って参ります。

 皆さま方の一層の御理解・御支援を賜りますようお願い申し上げます。
 

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