事故が起きたら
どのように対策をして注意をしていても必ず事故は起こります。大切なのは事故が起きたときに適切に対処して被害を最小限に食い止めることです。その方法を紹介します。
最も大切なことは、どんな小さな事故でも隠さずすぐに指導員に申し出ることです。以下のような考え方は全て誤っています。
- 指導員は忙しいので小さな事故についていちいち報告するのは迷惑だ
- 事故を起こしたことをクラスメートや指導員に知られるのは恥ずかしい
- 叱られたくないから隠し通したい
実習中にケガをして病院で治療を受けた場合は学生傷害保険より補償を受けることができますが、請求に必要な用紙は保健室にありますので学校にケガをしたことを黙っていると困ったことになります。
小さなケガでもすぐに申し出てください。手当てをする必要があるばかりでなく、工具などに血がついた場合は掃除をして錆などを防ぐ必要があります。
工具には金属くず、金属粉、砂などがついていることがあり、深く刺してしまった場合にはこれらのゴミを除去しないと感染を起こして厄介なことになります。外科に搬送するか、受診を指示しますので必ず申し出てください。
申し出ると同時に直ちに水道の水で患部を冷やしましょう。服の上から火傷した場合は、服は脱がずにその上から水をかけます。
絶対にこすらず、申し出ると同時に水道の水で洗います。実習中の目の異常は全て鉄片異物が目に侵入したものと考え、直接眼科に搬送して受診していただきます。
被覆アーク溶接の実習後、突然目が開けていられないほど痛みだして涙が止まらなくなることがあります。これはアークの閃光を溶接面を通さずに見たときに起きる、強力な紫外線を浴びたことによる眼障害です。しばらく安静にしても回復しないようであれば眼科を受診してください。
保健室で休憩していただきますので申し出てください。
直ちに機械の電源を切り、申し出てください。このような異常に気付いて原因を突き止めることはエンジニアの重要な能力の1つです。
そのままの状態で放置しておくと次に使う人に迷惑なばかりか、事故を誘発することもあります。実習生がものを壊すことは当たり前のことですから、遠慮なくすぐに申し出てください。隠されることが一番困ります。
大きな声で助けを求めてください。炎からすぐに退避し、水や砂をかける、消火器を躊躇なく用いるなどして初期消火に当たりましょう。消せないと判断したら負傷者を救助しつつ部屋から退避し、火災報知器を押した上で周囲で連呼し避難を呼びかけてください。
火がついた人は、慌てて走り回ると燃え広がって死亡する危険が高くなります。地面に転がりもみ消してください。
周囲の人は、水や砂をかけたり、消火器を使ったりして消火に務めてください。
機械操作中に停電したら、機械の電源スイッチを切って指導員の指示にしたがってください。電源スイッチが入ったままだと電源復旧時に急に機械が動き出して危険です。